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最大の恒星質量ブラックホール

Posted in ブラックホール on 2024年4月29日 by けろけろ

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ブラックホールは3種類に分類されています。

(大)銀河の中心などにある「超大質量ブラックホール」。

(小)重い星から誕生する「恒星質量ブラックホール」。

(中)上記の二つの間の質量「中間質量ブラックホール」。

重い星が最後を迎え残された恒星質量ブラックホールで、我々の属する天の川銀河過去最大の物が発見されました。今まで知られていた最大の物は「はくちょう座X-1」でした。質量は太陽の21倍と計算されていました。

発見されたブラックホールは、「ガイア(Gaia)BH3」と呼ばれています。質量は、太陽の33倍と計算されています。わし座の方向2000光年程の距離にあり、知られている恒星質量ブラックホールの中では2番目に地球に近いブラックホールとなります。

「ガイア(Gaia)DR3」と呼ばれている恒星の運動にふらつきが確認され、ブラックホールが伴星になっている連星系である事が分かりました。これは、研究者達も予想外の発見だと言われています。地球に近い(天文学的に)所に重いブラックホールが見つかる珍しい発見だったためで、天の川銀河の外では同程度のブラックホールは見つかっていました。

重元素が少ない金属が欠乏している星の超新星爆発で重い恒星質量ブラックホールが誕生すると考えられて来ました。なぜなら、金属が欠乏している恒星は質量を失う事なくブラックホールの材料となるからです。晩年に巨星に成長し超新星爆発を起こすタイプだと外層の質量を大量に放出してしまいます。

一般的な連星は、よく似た化学組成を持っている事が多いと考えられています。つまり、今回の発見されたブラックホールの連星を調べれば、ブラックホールになる前の恒星の化学組成を知る手掛かりになる可能性があります。

観測の結果、やはり金属が欠乏している恒星である事が分かりました。
可能性として、ブラックホールの親星も金属が欠乏している恒星であった可能性が示唆されます。

これは、重い恒星質量の誕生には金属の欠乏している恒星の超新星爆発から誕生するとの説を裏付ける結果となっています。

連星なので、 ガイア(Gaia)DR3の観測を進めればガイア(Gaia)BH3の事をもっと知る手掛かりになります。

さらなる研究に期待が膨らみますね。